「神は細部(ディテール)に宿る」
という言葉を聞いたことがあるだろうか?
調べてみると、
近代建築の巨匠、ミース・ファン・デル・ローエ。
という人の言葉だそうだ。
私はこの言葉を
「ディテールにこだわることで、そのモノに魂が宿る。」
そう解釈していたが最近、
「それは違うんだなぁ。」
と思う。
ディテールにいくら凝ったとしても、良いモノのができる訳ではない。
他所の手法やディテールを真似て、いいとこ取りをしただけのモノには、
どこか「んん?」と思う点がある。一見、良く見えても、変なところで
急に使い勝手が悪くてギクシャクする。
本当に良いモノは、使う程に機能の発見が満ちている。
一見、何でもない装飾や意味不明な凹凸が、ふとした時
「このためにあったのかっ!」と心を躍らせる発見がある。
こちらの使い方を、わかっていたかのような仕様に驚かされる。
だが、そのディテールは、細部に凝ることで
産み出されたものではないと思う。
点と点を結ぶように、ディテールに宿るアイデアを繋ぐ意思が、
もっと大きく広く行き渡っている。
良いモノのを創る人は、終始その意思を念頭に置きつつ創作をしていく。
その意思は創作物の端から端までに行き渡る。
我々は、ディテールにその「意思」を垣間見るだのだろう。
仕事で「ユーザビリティ」とはなんぞや?と考えることがある。
日本語に訳すと「使い勝手」みたいな意味になるだろうが、
「スマホでタッチしやすいボタンのサイズは○○px」
みたいな話ではなく、
「使う人にどう感じて欲しいか?」
という意思こそが、モノを作る上で何よりも肝心なのだと思う。
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